補修が必要な駐車場の陥没のメカニズム!舗装工事のプロフェッショナルに聞く!

飲食店や商業施設、あるいはパーキング事業を営む方にとって、駐車場のアスファルトの陥没は、適切に対処しなければならない悩ましい問題です。

駐車場のアスファルト舗装に割れが生じてしまったり、表面がでこぼこになれば、車の出入りにも支障が出て、最悪の場合には事故などにも繋がりかねません。見た目も悪くなり、顧客からは「しっかり管理されていない駐車場」と見なされてしまい、駐車場を資産としてみれば、その資産価値を下げることになります。

しかし、アスファルト補修工事は、気軽に頼めるような費用ではできません。そのため、アスファルトに凹みが見られた時には、「原因は何なのか」「どのように工事を進めると長持ちするのか」といったことをしっかりと押さえた、経験豊富な業者を選択する必要があります。

私たちOPENは、土木工事を得意としながら、アスファルト舗装・補修工事などの経験知を持った職人が多数おり、アスファルトの陥没が起きる原因から逆算した、効果的で効率的な工事計画をご提案しています。

今回は、当社に所属するアスファルト舗装工事に携わって30年以上の大ベテランの職人に、駐車場などのアスファルト舗装がなぜ陥没するのか、その有効な対策などについて聞きました。

駐車場オーナー様は必見です!

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駐車場の陥没補修!
駐車場が陥没する原因とは?

駐車場の陥没補修!駐車場が陥没する原因とは?

特別、重量のある大型車が通るといったこともなく、ごく正常な利用をしていても、ある日突然、駐車場のアスファルトの一部が凹み、やがては陥没をしてしまうことがあります。アスファルトの陥没とそれに対する補修工事は、決して避けられないものであると言えるでしょう。

そもそも、なぜアスファルトは陥没するのでしょうか。その原因はいくつか考えられます。

まず、舗装工事をおこなう以前に、その土地の上に家などの構造物があった場合、付属していたものが地面に埋まっているのですが、それらをしっかりと除去しないまま工事を進めてしまったケースです。

また、配管がある場合には、そこに水みち(水が流れたために出来る筋)が出来てしまい、アスファルト内の砕石が水みちに沿って流れ出てしまい、強度が下がった結果、陥没してしまうというケースもあります。

最近、当社で手掛けた立体駐車場の埋め戻しの現場では、まさにこの水みちによるアスファルトの弱化が起き、陥没が発生するリスクを抱えていました。立体駐車場は、コンクリートで覆われており、その中に構造物が作られているのですが、コンクリートの壁の外側の舗装が、水みちが発生したことにより空洞が生じていたのです。

埋め戻しの作業では、地下3.6mの深さに砕石を入れて、転圧(ローラーなどで圧力をかけること)をおこない、養生期間を設けます。その後、路盤を改良して舗装をおこなうのですが、養生をするために人が入らないようフェンスを設置することになり、その際に穴を開けた時にはじめて、アスファルトの空洞化が発覚したのです。

このケースでは、たまたま地面に穴を開けた結果、陥没が起きる前に空洞化が発見されたのですが、本来は地面が下がってきてはじめて気付けることです。同様の事態は、地下に配管がされている場所では、等しく発生する可能性があるので、注意が必要でしょう。

少しでも陥没のリスクを減らすには、例えば転圧をかける際に、砕石にセメントを混ぜて強度を補強するなどの工夫を行います。砕石の下が土の場合には、どうしても下がりやすいので、土を少し減らし、砕石を多めに敷くことで強度を増すなどの作業を追加でおこないます。

さらに、転圧に使う重機も目的に沿って変える場合があります。通常は、ローラーを利用して幅を広く、効率的に転圧をかけるのですが、面が広くなる分、転圧力が低くなるという欠点があります。陥没の可能性のある場所には、ランマーと呼ばれる小型の転圧機を利用して、面ではなく点の力をかけることで、より強い圧力をかけ、舗装をおこないます。

陥没以外にも、駐車場などの車が通るアスファルト面に発生しやすいのが、車の通り道にできる轍(わだち)です。

夏場は、気温が上昇し日も照りつけることから、アスファルトの表面がやわらかくなります。そんな状況の中、車が何台も同じ場所を通ることによって、車の動線にそって少しずつ凹みが生じます。これが、轍と呼ばれるもので、水たまりなどが発生する要因にもなり、アスファルト全体の劣化の呼び水となることから、こちらも補修が必要となります。

実は、気温によるアスファルトの軟化は、想像以上に影響が大きく、アスファルトの劣化を早める要因となっています。ここ最近は、日本の夏場も非常に高温となっているため、アスファルトは今まで以上に早く劣化すると考えた方がよいでしょう。

駐車場の陥没補修!
補修工事には適材適所が重要!

駐車場の陥没補修!補修工事には適材適所が重要!

同じアスファルト舗装でも、場所によってその材料は変わります。その材料ごとに長所・短所もあり、適切な場所に適切な材料を利用することが肝心です。

公共工事の場合は、発注者よりあらかじめ使用する材料が指定されています。例えば、「地面下〇cmまではこの材料を使用すること」といったかたちで決められているのです。区道・都道などの工事を行う際にも、同様の材料指定がされることが一般的です。

駐車場の場合には、「密粒(みつりゅう)」か「開粒(かいりゅう)」のいずれかを指定されることになります。

密粒とは、アスファルトと砕石を混ぜ合わせたアスファルト合材を用いた舗装。一方で開粒とは、密粒と比較して骨材(砕石)の粒度分布が均等ではなく、空隙が多くなっているアスファルトです。

水はけが悪い場所では、密粒を使用し勾配をつけることによって、雨水などを低い方へと流します。一方、水はけのよい場所であれば、開粒を使うことでアスファルトの下の路盤(アスファルトで作られる表層・基層の下部)に水を浸透させ、水たまりを無くすといった工夫がされているのです。

どちらかというと、密粒を利用する駐車場の方が、施工にあたっては気を遣うことも多く難しい工事と言えます。勾配をしっかりと作らなければ、水が正常に流れていかず、また表面にわずかな凹凸があることで、凹んでいる部分に水が溜まってしまいます。

どんな工事にも言えることですが、水こそが舗装の劣化を進行させる最大の原因のひとつです。そのため、雨水などがしっかりと排出され、溜まらない仕上がりにすることに最大限の注意を払うのです。

駐車場の陥没補修!
路盤が原因で陥没が発生するケースとは?

駐車場の陥没補修!路盤が原因で陥没が発生するケースとは?

アスファルト舗装に陥没などの綻びが発生する場合、多くは表面にある表層などの劣化ではなく、下層に存在する路盤が悪いことに原因があります。

路盤が悪いとは、以下のような特徴がある状態を指します。

・土がやわらかい
・水分を含み過ぎている
・(埋立地などで)ガレキなどが土に含まれている

水源などが近くになくとも、水はけの悪い土地の土には、水分が多く含まれます。土質が粘土のような場所は含水量も多いので、舗装を行う際には、地下およそ50cm程度を土壌改良したり、既存の舗装をはがしたのちに天日干しをするなどの対策を講じます。

路盤が原因となって起きるトラブルは、陥没というよりも「亀の子クラック」と呼ばれる、その名の通り亀の甲羅状に激しい割れ目が表面に生じるような状態になります。言い換えれば、この亀の子クラックが発生しているアスファルトは、下層の路盤に問題がある場合がほとんどで、根本的な地盤の改良が必要となってきます。

実際の原因は、アスファルトをめくってみないと分からないのですが、発生しているトラブルから、内部の様子がある程度、推測されるのです。

路盤の整備を怠ったアスファルト舗装工事をおこなわれると、比較的短期間の間に陥没やクラックなどといったトラブルが発生するケースがあります。舗装工事の経験が豊かな職人は、アスファルトに陥没が見られた場合には、真っ先に路盤に問題があると疑うのです。

駐車場の陥没補修!
補修工事について

駐車場の陥没補修!補修工事について

実際に陥没が発生している場所の補修工事の方法は、その陥没範囲や土地の性質などを鑑みて、さまざまな方法が考えられます。

広範囲でなだらかに陥没をしているようなケースでは、路盤に問題があることが考えられます。そのため、敷地内全体の土壌改良や、転圧を計画する必要があり、大掛かりな補修作業が必要となります。

一方で、敷地内のほんの一部だけに陥没が発生しており、他の箇所は問題が発生していないと分かれば、カッターなどで問題となる箇所だけを切り取り、局地的に補修をおこなう場合もあります。

ただし、オーナー様によって、当然ですが予定されている予算があります。補修工事はおこないたいけれど、あまり大掛かりなものは想定していない、やりたくないと考えられることも当然あるでしょう。限られた予算の中で、最大限に出来ることをご提案するのは、私たちプロの腕の見せ所です。

たとえば、駐車場のアスファルトに3cmほど窪みが生じてしまっているような場合には、路盤の改修をおこなうのではなく、オーバーレイ工法と呼ばれる、凹んだアスファルトの上に新たな舗装の層を重ねて補修をする簡易的な方法をご提案します。この方法であれば、駐車場全体の地盤を掘り返す必要がないため、比較的低コストで補修をおこなうことが出来ます。

一方で、予算に余裕があり、長期間にわたり耐えうるメンテナンスを実施したい場合には、土地全体の路盤から、最適なかたちでの敷き直し工事を実施します。勾配を作り出すことで水が排出される流れを作ったり、砕石の厚みを増してより水はけを良くし路盤を改善するなど、アスファルトが陥没する原因を把握している職人ならではの、経験と知識に基づいた実効性の強い工事をご提案します。

このように、どんな土地でも、予算を伺いながら、ご相談次第でさまざまな工事を提案できるのが土木工事を得意とする、当社OPENの強みです。

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