駐車場舗装の事例集!舗装の心得をプロが解説!

駐車場の舗装工事の事例集!舗装の心得をプロが解説!

こんにちは。

関東近郊を中心に、土木工事を手掛けている株式会社OPENです。

店舗や駐車場経営をされている方、またマンションの管理組合様のなかで駐車場舗装の不具合に悩んでいらっしゃる方は多いのではないでしょうか。

不具合には必ず原因があります。

そして、実は施工段階でその原因を作ってしまっている可能性も否定できません。

私たちOPENは、常に不具合が起きてしまう原因を探り、施工時に留意すべき点を経験値として蓄積し続けています。

単に工事の作業をするのではなく、日頃から深く考えて工事を行っている会社であるという自負があります。

駐車場の舗装工事の主なポイントは、「路盤」と「舗装材料」、そして「勾配」です。

今回はこのポイントと心得について、私たちが手掛けてきた駐車場舗装の事例を3件ご紹介しながら説明していきます。

今回も当社に所属するベテラン工の青木がお話させていただきます。

これから駐車場の舗装をしようと考えている土地のオーナーさんにとっては、舗装工事はいったいどのように行われているのかを知っていただく良い機会になるでしょう。

また、駐車場の路盤沈下などに悩んでいるマンションの管理組合さんには、その原因を探る手掛かりが見つかるかもしれません。

そして、補修工事の発注先選定において、その会社がどこまで気を遣って施工してくれそうかを探るヒントにしていただけたらと思います。

少しでも皆さまのご参考になれれば嬉しいです!

 

▽動画で見たい方はこちら▽

 

 

駐車場舗装の事例集!
【1】  ロードサイド中古衣料品店駐車場(神奈川県大和市)
<駐車場舗装>現場の特性に応じた路盤、舗装材、勾配

駐車場の舗装工事の事例集!舗装の心得をプロが解説!  こちらは面積がおよそ600平米、車20台分くらいの駐車場です。

この現場はもともとの路盤(アスファルトで作られる表層・基層の下部)の状態が悪かったため、まず地表から30センチくらいの深さを掘り起こす作業からスタートしました。

土とセメントを混ぜて締固めをしてあげることで地質を改良し、アスファルト舗装で仕上げて完成させました。

目に見える舗装の下層にある路盤の状態はとても重要で、表層を支える層のため、この仕上がり如何で路面の状態が変わってきます。

路盤の状態が悪いと、完工時の仕上がりに影響するだけではなく、時間の経過と共に沈下や陥没を引き起こす原因にもなりかねません。

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この現場では砕石の下の土が粘土層でした。

粘土層はとても柔らかく、転圧した時に逃げてしまうので、セメントを混ぜて土質改良をしたのです。

「転圧」とは、下地となる地面の密度を高めるための作業のことです。

土砂やアスファルト混合物は押し固める前は、粒子と粒子の間に隙間があります。

そのままの状態だと強度が低いため、その隙間を無くして強度を高めるために転圧をします。

土砂などの下地に上から力を加え、空気や水などを押し出して隙間を小さくし、土粒子や砕石同士をしっかり接触させるのです。

ローラーなどでの転圧が不十分だと、いずれ路面の沈下が起きてしまうことになります。

土がどのような性質なのかは地層によって変わります。

砂が多い地域もあれば、粘土が多い地域もあり、またフカフカした畑土の地域もあります。

以前に施工した現場は約1,200平米の、もともと畑として使われていた土地でした。

その畑を駐車場にするという工事だったのです。

まず、畑土の上をユンボ(油圧ショベルカー)で行ったり来たりして、しっかりと締固めをします。

それから勾配を作り、その後に砕石を敷いて転圧をかけます。

もともと畑土でフカフカした状態でしたが、しっかり転圧をかけてあげることで、この舗装前の状態で車が走行してもタイヤの跡がつかない程度にまで表面が固くなっています。

車のタイヤが通る部分は路面に点で圧力がかかるため、舗装後でも沈下しやすいのです。

さらに、ハンドルを切ってタイヤの向きが変わる場所は舗装面がヨレてしまい、盛り上がってしまう場合もあります。

駐車場の場合、皆さんがだいたい同じ場所で方向転換しますし、狭い場所で大きくハンドルを切ることになるため、舗装面の同じ場所に力がかかることになるのです。

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このため、施工が悪い駐車場はすぐに舗装面の沈下が起きてしまいます。

また、この現場は水勾配をとりにくい条件だったため、材料としては本当ならば「開粒(かいりゅう)」を使用するのが良かったのですが、発注者が「密粒(みつりゅう)」を指定しました。

密粒とは、アスファルトと砕石を混ぜ合わせたアスファルト合材です。

駐車場などの路面は、「密粒」か「開粒」のどちらかの材料を選択することになります。

轍(わだち)掘れが起こりにくいことから、一般的な道路や交通量が多い箇所、急こう配の坂路などで使用されます。

水勾配を確保しないと水が溜まりやすいという性質があります。

一方で開粒とは、密粒に比較して骨材(砕石)の粒度分布が均等ではなく、隙間が多くなっているアスファルトのことです。

舗装表面が粗く仕上がるので水が溜まらないため、すべり止めを目的とした舗装として車道に用いられたり、歩道用の透水性舗装に使われたりします。

水はけが悪い場所では、密粒を使用して勾配をつけることにより、雨水などを低い側へ流します。

一方、水はけの良い場所であれば、開粒を使うことでアスファルトの下の路盤に水を浸透させることで水たまりが発生しないようになります。

どちらかと言えば、密粒を使う施工のほうが気を遣うことも多く、難しい工事と言えます。

勾配をしっかりと作らなければ水が正常に流れていかず、また表面にわずかな凹凸があることで、窪んでいる部分に水が溜まってしまうことになるからです。

この現場には駐車場の真ん中にU字溝がありました。

店舗や道路側よりもU字溝が高くなっていると逆勾配になり、密粒を使うとU字溝ではなく店舗のほうに水が流れてしまうため、慎重に計算して勾配調整をしなくてはなりませんでした。

最終的にはうまく勾配をつけて仕上げることができたので、密粒でも良かったという結果になりました。

私たちが現場に入った時にはすでにアスファルトは剝がされていたので、もともと密粒と開粒のどちらで仕上げられていたのかわかりませんでした。

もしかしたら開粒で施工されていたのかもしれません。

それで不具合があったので、今回は密粒を指定されたのかもしれないですね。

予算的な理由で開粒に比べると安価な密粒を選んだということも考えられます。

密粒はリサイクルできるため、再生密粒というものがあります。

これは舗装材の中では比較的安い材料です。

それに対し、開粒はリサイクルができないのです。

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先にお伝えした通り、舗装の仕上がりは基本的には路盤で決まるものです。

フィニッシャー(自走式原動機)でアスファルトを敷く場合は、路盤通りにアスファルトが敷き均されるため、路盤の状態が命となります。

その一方、「手引き」は人の手で敷き均しをするのでアスファルトの表面の調整ができますが、広大なスペースすべてを手引きで行うのは現実的ではありませんし、人工代と施工期間が膨大になってしまいます。

OPENが手掛ける現場ではとにかく路盤の形成に時間と手間をかけるように心がけています。

この点は後の事例でもお伝えします。

通常、駐車区画などのライン引きはそれを専門としているライン屋さんに担当してもらいます。

ライン屋さんはライン引きだけではなく、駐車場の輪止めを施工することもあります。

この現場もライン屋さんにお願いしましたが、OPENのスタッフが現場監督として最後まで管理をしました。

【2】  駅前駐輪場(神奈川県横浜市)
<駐車場舗装>広大なスペースにおける勾配

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この現場はおよそ1000平米ほどあり、アスファルト約100トンを使用しました。

こちらでは開粒を使っています。

作業としては路盤に2日間とアスファルト舗装に1日間、合計3日間の施工日程でした。

通常、敷地が広ければ広くなるほど勾配の高低差をつけにくくなります。

端に対して真ん中のほうが低くなってしまうこともあるため、糸を張って高さを確認しながら路盤を造らなくてはなりません。

広い敷地の場合、大抵はどちらかの側が高かったり低かったりするものです。

こういった場合は一方からもう一方の側へ向かって路面を傾斜させる片勾配にするので比較的施工は楽です。

それに対して両サイドが同じ高さの場合は真ん中を盛るキャンバー(かまぼこ型)の状態に仕上げ、両サイドに水が流れるようにします。

これは横断勾配とか拝み勾配などとも呼ばれたりしますが、きちんと勾配をつけるためには慎重に計測して高さ調整をする必要があります。

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これはとても繊細な作業です。

人の目にはきれいに勾配をつけて敷けたように見えても、実際に測ってみると高かったり、逆に低かったりすることが多くあります。

人の目は本当にアテにならないですよ。

どんなに完璧にできたと思っても図ってみたらダメ、なんてことは頻繁にあります。

このため、鉄筋など目印となるものを打ち、その起点にきちんと高さを合わせられるように施工する必要があるのです。

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日常で何気なく使っている道路や駐車場なども、こうした細かい配慮で作られているのですよ。

勾配の目安はおよそ2パーセントです。

例えば幅5メートルの道路の場合の高低差は1センチということになりますが、距離が長くなればなるほど、高低差をつけなくてはならなくなるのです。

この現場では10センチくらいの勾配をつけたと思います。

施工が悪い駐車場の場合、舗装が仕上がったばかりなのに水たまりができてしまうなんてこともありますが、OPENが手掛ける現場ではこのようなことが無いように細心の注意を払って施工を完了させます。

基本的に私たちは最終段階で水を撒いてみます。

勾配がきちんと確保できているか、水たまりができたりしないかを確認するためです。

万が一、水が溜まるような場所がある場合はその箇所をバーナーであぶり、アスファルトを盛って転圧をかけるオーバーレイ工法で調整をします。

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アスファルト面だけを補修して済むような、軽微な不具合はこの工法で行います。

これ以外にもいろいろな補修の工法があり、ひどい沈下の場合は部分的に掘り起こして路盤からやり直す場合もあります。

広大なスペースであるほど不具合を見落としてしまう可能性があるため、とにかく私たちは最終チェックを慎重に行うようにしています。

【3】  立体駐車機撤去後の埋め戻し(東京都府中市)
<駐車場舗装>深さのある埋め戻しでは路盤の締固めが命

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こちらは幅5メートルx奥行き5メートルくらいのスペースで、深さ3メートル程度の埋め戻し工事です。

私たちが現場に入った時にはすでに立体駐車機(立駐機)は撤去されていました。

砕石で埋め戻しをして路盤を形成し、最後に表面を舗装するのですが、この埋め戻しスペースは立駐機独特の構造です。

立駐機が撤去された後の地下部分は、コンクリートの床と壁で囲われた部屋のような状態となっています。

底部のコンクリートは厚さ50センチ程度なのですが、そのコンクリートをコア抜きし、水抜き用に穴を空けます。

さらに、空けた穴にフィルターを被せ、そして砕石を積んでいくという手順を踏みます。

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次に、側面に30センチピッチの目印をつけます。

砕石を投入して締固めをするのですが、この作業を30センチ単位で繰り返していくための目印となります。

立駐機は深さがあるので、埋め戻しをした後に長めの養生期間を設けます。

深さのある埋め戻しの場合、時間の経過と共にどうしても沈下するものだからです。

水抜き穴を作って砕石を高さ30センチくらいずつ入れて表面を均し、しっかりと転圧をかけて何層か重ねたら、私たちOPENはたくさん水を撒きます。

水で締固めをして一晩おき、翌日にまた同じ作業、を繰り返して地表面まで埋めていくのです。

この現場の場合、最後まで埋め戻しをした後に2週間くらいの養生期間をとりました。

放っておいても雨水などで砕石同士の隙間が埋まり、自然に5センチくらいは沈下するものです。

そして、表面から20センチくらいの深さ部分はセメントを混ぜたりして路盤改良します。

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その後に転圧し、仕上げに舗装となります。

時間をおくことで砕石が自然に沈下して目が詰まってしまえば、それ以降さらに沈下することはほぼありません。

ただ、いくら丁寧に機械で転圧したとしても、雨が降れば沈下することがあります。

このため、私たちは敢えてなるべくたくさんの水を撒くようにしています。

これは新しく植物を鉢植えした場合に似ています。

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鉢の底に小石などを敷き、その上に土を入れますよね。

どんなに土を押さえつけたとしても、初めて水やりをした時に土の表面で窪む部分が現れると思います。

これは下に敷いた小石同士の隙間部分に土が流れていくために起こる現象です。

とにかく水締めは大切です。

再生砕石の場合はコンクリートの成分を含んでいて、水を撒いてあげれば多少は固まってくれます。

しかし、粒ひとつひとつが大きいため、転圧しただけでは小さい隙間は残ってしまいます。

そこで、水を流すことで細かい粒がその隙間を埋めてくれるように導くのです。

深さのある埋め戻しの場合はこれを繰り返し、さらに養生期間を設けてさらに自然に沈下するのを待つことが大事なのです。

養生期間を長くとればとるほどその後に沈下してしまうリスクを軽減できますから、深さがある埋め戻しの場合は養生期間をなるべく長く設けたほうがいいのです。

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参考までに、砕石で埋め戻して路盤を形成するのではなく、支柱を立てて地表部分に鉄板を入れるような工法もでてきています。

この方法だと地面の下は空間にしたままで、低コストで済ませることができます。

ただ、これはかなり特別な工法で専門的に手掛けている会社でないとできませんので、私たちOPENでは対応していません。

【4】  失敗から学んだ手間と時間の大切さ

どこまで考え、どの程度の手間と時間をかけ、どのように仕上げていくかといった考えは、施工会社によって大きく異なる点だと思います。

基本的に発注者、つまりお客様の立場になって考えれば自然にわかるはずなのですが…。

施工完了後に沈下したら、ただ単純に困るだけですよね。

目の前の作業だけではなく引き渡し完了後のことまで考えて施工しているか、が大事なポイントだと思います。

それが発注者とWINxWINの関係になれるかどうかのカギなのではないでしょうか。

施工に手間と時間をかけることが非効率に思えても、後でやり直しをするよりは明らかに良いことです。

結果的にはひとつひとつの仕事を丁寧に仕上げたほうが効率良くなっているはずですし、私たちに対する評価も大きく変わってくるのだと思うのです。

私たちがこの考えに至ったのには理由があります。

実は過去に立駐機の埋め戻しに失敗したという苦い経験があるのです。

その経験を教訓とし、手間を惜しまず作業をするようになって以降は、立駐機埋め戻し工事において一度も施工後に沈下してしまったことはありません。

紹介した事例は立駐機が撤去済みの状態から埋め戻しですが、立駐機の撤去から路面の仕上げまでの工事一式を手掛ける場合もあります。

最近は立駐機を解体して平面駐車場にするところが増えてきていますね。

過去には600立米くらいの、大型ダンプカーで100何十台もの砕石量の埋め戻しをしたこともあります。

マンションの駐車場で、横7台くらいの立駐機を4つ撤去して埋め戻す、というものでした。

OPENは駐車場舗装に自信を持っています。

そして、必ずお役に立てることがあると考えています。

経験豊富なプロが在籍しており、会社としても数多くの舗装工事の実績があること、そして何よりお客様視点で深く先のことまで考えて提案し、また実際に自分たちの手を動かして施工をしている会社だからこその自信なのです。

何かお困り事がある場合や、良くわからないことがあるといった場合はお気軽にご相談ください!

ご連絡をお待ちしております!

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